プリンの基本

プリンは、プリン型の底にカラメルソースを入れてから牛乳と砂糖を混ぜた卵液を流し込み、加熱してカスタードを凝固させたものである。カラメルソースが上になるように逆さまにして型から抜き、皿に盛って食卓に供される場合が多いが、器に入れたまま食べることを前提とした市販品も多い。とき卵を加熱して固めるという点で、製法は茶碗蒸しとよく似ている。

ゼラチン等のゲル化剤でゼリー状に固めたプリン(ケミカルプリン)もあり、甲乙付けがたい人気となっている。
元々は、英語でカスタードプディングと呼ばれている洋菓子で、日本ではプディングが訛ってプリンという名前に変わったようである。

<プリンのレシピ>
(1)プリン10人分プリン型に砂糖を焦がして作ったカラメルソースを熱いうちに容器に敷き、冷やし固めておく。
(2)卵と砂糖をあらかじめ、混ぜておく。
(3)牛乳を60℃までゆっくり攪拌(泡が立たない程度)しながら暖め、2に温まった牛乳をゆっくりと混ぜながら流し込む。
(4)3を目の細かいふるいなどでいったん漉した後、1の容器に流し込む。流し込んだ後は、長い柄の付いたライター(チャッカマン)やエチルアルコール入りの霧吹きなどで、泡を消すと、焼いた後の見た目もよくなる。
(5)敷板に容器を並べ、湯(目安は45〜60℃。オーブンなどにもよるので、事前に確認を。)を張り、80℃に保つようにしながら火を入れる。(30分くらいを目安に。)
(6)焼けたら、敷板から取り出し、荒熱をとる。
(7)暖かい物を食べても良いが、多くは冷蔵庫で冷やし、食べる直前に皿にひっくり返し完成とする。

ケミカルプリン

市販の比較的安価なプリンでは、ゼラチン等のゲル化剤でゼリー状に固めた物が多い。ゲル化剤で固めることでよりなめらかな舌触りになる。ゼラチンを使う場合、その製法はババロア(生クリームを用い、泡立てる)に近いと言える。

弾力性に富み皿の上にひっくり返すと力強くゆれるため、ひっくり返すことに主眼を置いた商品もあり、容器の底から空気を入れるための突起がついた商品がある(へし折ると小穴が開いて空気が入りプリンが抜けやすくなる)。

<ケミカルプリンのレシピ>
ケミカルプリンを作る際は、ゼラチンを冷やし固めて作るため普通のプリンのように加熱する必要がない。また、卵の粉末や調味料を合わせた「プリンの素」が市販されており、牛乳に混ぜて冷やすだけで簡単に作ることができる。

(1)ゼラチンをふやかし、ケースにゆるく作ったカラメルソースを入れる。
(2)牛乳(必要なら温める)に砂糖とゼラチンを溶かし、といた卵を加えて良くかき混ぜる。
(3)冷蔵庫で固まるまで冷やし、食べる直前に皿の上にひっくり返す。
(4)家庭ではゼラチンの代わりに寒天で固める場合もあるが食感は大きく異なる。

香港のマンゴープリン

現在の香港では、各中華レストランや洋食レストランが店内で製造し、デザートとして客に供している。菊の花の様なデザインで、上にハートの模様が入った金型を使って作る店が多いが、他にもマンゴーの果実の形をした金型や、魚の形をした金型を使う店もある。

ここでのレシピでは、果肉をある程度残して、混ぜ込む事が多い。無糖練乳(エバミルク)をかけたり、ホイップクリームを添える場合も多いが、総じてレストランの中で食べるマンゴープリンはシンプルなものである。

一方、デザートを主力に営業している店では、マンゴーやその他のフルーツの果肉、アイスクリーム、シャーベット、燕の巣、ナタデココなどと盛り合わせたり、スムージーと合わせたりして、豪華なものを出す例が多い。

<香港風マンゴープリンのレシピ>
(1)熟したマンゴー1個を捌いて、果肉を小さなさいの目切りにする。マンゴーが大きい場合は、使用量を調整するか、一部を大きめのさいの目切りにし、飾りとして使うとよい。

(2)粉ゼラチン7gを100mlの熱湯で溶かしてから、砂糖30gを加えて溶かす。

(3)マンゴーの半量、特に形の悪い部分を裏ごしして、上記のゼラチン液に加え、エバミルクまたはホイップしない生クリーム50mlを加える。好みで卵黄1個、もしくは極少量のレモン汁を加えても良い。

(4)残りのマンゴー果肉を加えて軽く混ぜてから、プリン型に分け、冷蔵庫で1時間程度冷やす。

(5)プリン型から出して、ひっくり返して皿に移す。型の外側を常温の水で少し暖めてやると、マンゴープリン表面が軟らかくなり、簡単に取れる。

(6)エバミルク少量を上にかけて出す(マンゴー果肉に余裕があれば、横に添える)。

日本のマンゴープリン

2005年、日本で生果としてのマンゴー人気が高まり、多くの食品メーカーから、マンゴープリンを含むマンゴー入りの製品が各種発売されるようになった。
また、香港の甘味処である「糖朝」が日本各地に店舗を持ち、本場レシピのマンゴープリンを展開し、ホテルや洋菓子店でも消費者の求める本物指向に応える商品が増えてきた。
現在では、日本でもある程度のコストを払えば、香港に近い味のマンゴープリンを食べられるようになっている。

<日本のマンゴープリン>
高級店や香港資本の店などで香港と同じ作り方で供される例もあるが、日本で販売されているものの多くのは、プラスチック容器に充てんされた工場生産のものであり、使用している材料も、生のマンゴー果肉ではなくマンゴーピューレーまたはマンゴー果汁を、ゼラチンではなく増粘多糖類を、生クリームではなく脱脂粉乳や植物脂肪を使っている事が多い。

場合によっては、マンゴーの代わりに色が似ている黄桃を刻んで入れている場合さえある。そのため、風味の面でも栄養価の面でもいわゆる本場のものとはかなり異なるものが多い。また、洋菓子店などで売られることが多く、卵プリンの容器と似たカップに入れて販売される事が多い。

牛乳プリン

牛乳プリンは、カスタードプディングの変種で、主に、色が牛乳の持つ白いものであり、通常カラメルシロップをかけないという特徴がある。

原料の違いとして、カスタードプディングには全卵もしくは卵黄だけを用いるため、卵黄の黄色い色素が入り、黄色い色になるが、牛乳プリンには卵白だけを用いて、白く仕上げるのが普通。
新鮮な牛乳、鶏卵、砂糖があれば、家庭でも簡単に作れるが、滑らかで、均一なものを作るには、ある程度のコツがいる。

日本では、牛乳瓶風のガラス容器で加熱した、全卵使用のカスタードプリンを「牛乳プリン」と称している場合もある。北海道や福岡県などにメーカーがあるが、原料や製法の違いによる名称ではなく、牛乳瓶風のガラス容器を使用したことから付けた名前だと思われる。

大良双皮乃(中国語 ダーリアン シュアンピーナイ)は中国広東省仏山市順徳区大良鎮発祥の牛乳プリン。地元産の水牛乳、卵白、砂糖を使用して、碗で蒸して作る。
順徳料理の中心地である大良は、水牛などの乳を使う料理、食品にも特色があるが、このプリンが特徴的なのは、一度水牛乳を碗に入れてよく蒸し、表面に皮が張ったところで、皮の端を少し破っていったん中身の乳を出し、そこに卵白と砂糖を加えてよく混ぜてから、残していた皮が表面を覆うように静かに器に戻し、再び蒸すという2段蒸しの工程で作る。
このため、できたプリンには、最初の膜と、2回目に蒸した時の薄い膜の2つの膜ができるため、「双皮」という名前が付いている。熱いまま食べても、いったん冷蔵庫で冷やしてから食べてもよい。

順徳や香港では、インスタントの牛乳プリンも売られている。袋の中に粉末を入れたもので、少量の湯で溶いてから、定められた量の湯を加えて混ぜ、5分間ほど置くと、熱いままでゲル化する。

原料は、粉ミルク、砂糖、粉末タンパク質、カラギーナン(ゲル化剤)などであるが、味も薄く、水分も分離しやすいなど、生の材料から作られるものとは大きな違いがある。